トイレのタンクに水が溜まらない原因って?
トイレを流したあと少しとどまって様子をみてみると、タンクにジャージャーと水が溜まっていっているのがわかるはずです。こうしてタンクの中の水を補給しておくことで、次にトイレを流したときにもスムーズに流れるようになっているんですね。
ここでタンクに水がいっこうに溜まらなかったり、溜まるまでにかなり時間がかかるようなら一大事。間を置かずに水を流したいときに、あわてることになってしまいます。
通常、タンクに元通りの量の水が溜まるまでに必要な時間は、1分半から2分くらいが目安。これよりもかなり時間がかかるようなら、トラブルと考えてよいでしょう。
タンクに水を給水するときには「止水栓」という部品が大きくかかわっています。止水栓は、水道管の水をトイレに取り入れる元栓です。
よってタンクに水が溜まらないときには、この部分をまずチェックする必要があります。
画像元:ジャストリフォーム
図7-1「止水栓の形と種類」
止水栓は閉めるほどトイレに流れ込む水の量が減り、反対に開けるほど流れ込む水の量は多くなります。右にまわすと閉まり、左にまわすと開くものがほとんどです。
栓に取っ手がついたハンドル式のものなら素手で問題ありませんが、取っ手がない場合はマイナスドライバーが必要になります。あらかじめ準備しておきましょう。
止水栓の調整で、タンク内の水量をコントロール
準備ができたら止水栓を開けていくのですが、やみくもに開けると今度は水量が過多になり、水があふれ出す原因になってしまいます。必要な水量を慎重に見定めながら、開き加減を調整することが大切です。
水量を見極めるには、タンクの中をチェックしてみましょう。まずタンクのフタを開け、中心にある丸い「浮玉」を目いっぱい下まで押し下げて手で押さえ、止水栓を徐々に開くと、水がどんどん流入してくるはずです。
鍵となるのは、タンクの下部から上に向かって設置されている「オーバーフロー管」という管。この管の先端から1センチ上くらいの水量になるように、止水栓の開き具合を調整するのがポイントです。
画像元:TOTO
図7-2「タンク内の水量調整法」
調整が済んだら、浮玉から手を離しましょう。このとき水面がオーバーフロー管の先端から2~3センチ下になっていれば、うまく調整できている証拠です。
フィルターの目詰まりが原因の場合も
止水栓を調整しても水の溜まりがよくならないという場合は、フィルターが目詰まりしているのかもしれません。
トイレの種類によっては、タンクと給水管の接続部分やボールタップの中に、不要なゴミが入らないようにするためのフィルターがつけられているものもあります。使用年月が長くなってこのフィルターが目詰まりしていると、タンクへの水の出入りがスムーズにいかなくなってしまいます。
この場合はフィルターの位置を確認して取り外し、古い歯ブラシなどでよく洗いましょう。洗い終わったらパッキングやナットなどの周辺部品も含め、元の通りに戻します。こちらの処理が完了してから、あらためて止水栓の調整を行ってください。