なぜ水圧が弱くなるのか？
一口に『水圧が弱い』と言っても、その原因はいろいろな所にあります。
その為、「水圧を上げるなんて素人には無理」と思い込んでいませんか？
個人ができる最も簡単な方法はシャワーヘッドの交換なのですが、商品によっては高額な物もあります。
そこで、ヘッドを交換するその前にチェックできる事をやってみましょう。
原因さえ分かれば、調整自体は簡単にできるのです。
家全体の水圧を確認
もし、家中の水圧が弱いのであれば、家に引き込む前から水圧が弱い事が考えられます。
その時は大本の元栓がしっかり開いているかを確認してください。
元栓が中途半端に開いている場合、水圧が低くなる事があります。
元栓の場所は水道メーターの近くにある事が多いようです。
給湯器の容量不足
家の他の場所に問題が無い場合は、給湯器に問題があるかもしれません。
「水だけなら問題はないのに、お湯を使うと水圧が下がる」という場合は、特に給湯器が怪しいでしょう。
給湯器の容量が小さい場合は、より大きなものに交換するという方法が考えられます。
給湯器の大きさは「号」で表される
給湯能力は「号数」によって表され、これは『水温25℃のお湯を1分間に出せる量』を示しています。
つまり16号では「１分間に25℃のお湯を16リットル」。24号では「1分間に24リットル」作り出せるという事です。
ちなみに、水温の低い冬場では暖めるのに時間がかかるので、作りだせる量は号数よりも低く（水圧が弱く）なります。
給湯器の目安
「リンナイガス給湯器についてのFAQ」が公表している目安としては、１人暮らしであれば16号。冬場でも家族と問題なく使うのなら24号程度が妥当ではないでしょうか。
止水栓で調整されている
ここまで問題が無ければ、今度はシャワー付近を確認しましょう。
シャワーを含め、水栓器具（蛇口）の近くには、『止水栓』が取り付けられている場合があります。
止水栓とは、蛇口を修理するときや、蛇口が壊れた時に、水漏れを防ぐ目的で付けられており、水圧を個別にコントロールする時にも使用されます。
場所はその商品によって変わってきますので、説明書などを参考にしてください。
この止水栓も、開き切ってない場合は水圧が弱くなります。
その場合は、マイナスドライバー１本で解決するでしょう。
ストレーナー（フィルター）の目詰まり
水栓器具の中には、ストレーナーというフィルターが取り付けられています。
このストレーナーは外部から入ってくる異物を取り除く為の物で、長年使用していると『サビ』が増え、目詰まりを起こしている場合があります。
ストレーナーは業者が真っ先に確認する部分であり、複雑な部品ではないので、時間はかかりますが、素人でも取り外しはできます。
もし中にゴミが詰まっていたら、いらない歯ブラシなどを使って清掃を行ってください。
低水圧用シャワーヘッドを使う
問題が見つからない。あるいは給湯器が小さいが交換できないという場合。
低水圧用のシャワーヘッドに交換する事で、対応する事ができます。
しかし、シャワーヘッドを変えても効果が無い場合もあります。
シャワーヘッドだけで水圧が上がる理由
ホースの先端を潰すと水の勢いは強くなりますよね。同じことをシャワーヘッドがやっています。
つまり、「水の出る穴を小さくしたり、穴の数自体を減らすことで、水圧を上げている」という事です。
節水にもなる
さらに、水の量を制限する事で水圧を高めている為、時間当たりのお湯の量は普通のシャワーヘッドよりも少なくなっています。
その為、「低水圧」ではなく「節水」を商品名にしている物もありますが、両者に明確な違いはありません。
節水タイプでも、水圧は強くなります。
低水圧の不満点
出湯量の少ない低水圧用シャワーヘッドの多くは、水が直線的に出るような構造をしています。
通常の放射状に広がるシャワーヘッドに比べ、どうしても範囲が狭くなりますので、その事に不満を覚える事もあるでしょう。
それでも問題が解決しない原因
- 元々の水圧が低い。
- 使用している水道管が細い。
- 水漏れしている。
- マンションの給水装置の不備。
これらの理由で水圧が低くなっている場合は、残念ながら個人で対応するのは難しいでしょう。
水道局や管理組合、あるいは大家さんや調査会社に依頼する必要があると思われます。