つまりや水漏れを解決!「トイレのしくみ」を知っておこう|水回りトラブル入門

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2016年4月12日
つまりや水漏れを解決!「トイレのしくみ」を知っておこう

毎日のように使うトイレですが、そのしくみについては知らない人のほうが多いでしょう。でもそれでは、つまりや水漏れなどのトラブルを解決できません。トイレ内部がどうなっていてどんなふうに動いているのか、いざというときのために知っておきましょう。

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便器・タンクの中身はどうなっている?

図1-1「便器のしくみ」
画像元:TOTO
図1-1「便器のしくみ」

トイレに入ると腰かける便座。のぞきこむと水がたまっているのがわかりますが、実はこの「水たまり」、トイレを清潔に保つのに必要不可欠なものなんです。

ここにたまっている水が、下水道から上がってくるイヤなニオイをシャットアウトしたり、便器の内側に尿石などの汚物がついたりするのを防いだりしているというわけ。

水たまりと下水道をつないでいるのが、トイレの通路である「排水路」です。トイレを流すと、この排水路を通って汚物が下水道に排出されます。

排水路の直径が大きければ大きいほどトイレはつまりにくくなりますが、流すのにそれだけ強い水流、多くの水量が必要になってしまうという側面も。各トイレメーカーではそのバランスを考えつつ、最適なサイズの排水路が選ばれているのです。

便座とともにトイレを構成しているのが、水を流すレバーがついていることも多い「タンク」。上部に手洗い用の水が出る管(手洗いカラン)がついているものもあります。

図1-2「タンクのしくみ」
画像元:TOTO
図1-2「タンクのしくみ」

このタンクの中には常時水がたまっているのですが、真ん中には「浮玉」と呼ばれる丸い物体が浮いています。この浮玉の位置でタンク内の水位がわかるので、浮玉が上がれば水を止め、下がれば給水することで、トイレを流すのに十分な水量を保っているのです。

この止水、給水の役割を担っているのが、タンク上部の「ボールタップ」という部分です。このボールタップがしっかり働いてくれているおかげで、水がなくなったり水漏れしたりすることなく、トイレがちゃんと流れるんです。

もしボールタップが動かなくなったら…。

考えるだけでも怖くなりますが、そんな緊急事態にも対応できるように、タンクには頼れるピンチヒッターが控えています。それがタンク下部にある「オーバーフロー管」という管。

平常時のタンク内の水位は、このオーバーフロー管の2~3センチ下に保たれています。ボールタップが正常に作動せず水位がこれより上がった場合には、このオーバーフロー管が出番とばかりにタンク内の水を管から逃がし、水があふれ出るのを阻止します。

それでも水があふれてしまった場合の“最後の砦”は、タンクの外部にある「止水栓」と呼ばれる栓。自分では対応しきれない水漏れには、修理にきてもらうまでの応急処置として、この栓で水の勢いを調整することができます。

トイレが流れるしくみ

図1-3「トイレが流れるしくみ」
画像元:TOTO
図1-3「トイレが流れるしくみ」

上記のように便座やタンクの内部にはいろいろなしかけが隠されているのですが、トイレを流したとき、これらはどのように動くのでしょうか。

トイレの水を流すためのレバーは、タンク内部の「フロートバルブ」という部分と連動しています。レバーを動かすとこのフロートバルブが持ち上がり、汚物を流すのに必要な水をタンクから便器に送り出します。

これによりタンク内の水は急激に減り、浮玉がタンク下部に下がった状態になります。次にトイレを流すときに備えて、ボールタップが作動してタンク内への給水をはじめます。

浮玉が所定の位置まで上がればボールタップがそれを感知し、給水をストップします。この水の放出⇔給水の一連のフローにより、トイレは常にスムーズに流れるようになっているのです。

トイレのつまりや水漏れは、このフローがスムーズにおこなわれていないときに起こります。それぞれの部品がもつ役割と、それらがどう連動しているのかをあらかじめ理解しておくと、いざトラブルが起こったときにもあわてずに対処することができます。

著者:加賀原まこ

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