いろいろあるトイレのプチ不調
水が止まらない、水が流れないなどの致命的なトラブルではないけれども、ちょっと気になるトイレの不調ってありますよね。
トイレから変な音がする、こびりついて取れない黒ずみがあるなど、トイレ本体に関するものから周辺機器に関するものまで、数え出すとキリがないほどです。
そういった故障以前の「プチ不調」は深刻なトラブルの段階ではないことも多いため、自力で解消できるケースもあります。それぞれの症状から、適切な解消法を探っていきましょう。
まずトイレから変な音がするときは、それがどんな音かと、どこから音が出ているかをチェックします。
トイレを流すと「ヒュー」という音がしばらく鳴っている場合、タンク内の「ボールタップ」という部品にゴミがたまって水圧が変動してしまっているのかもしれません。給水管とタンクをつないでいるナットを工具で取り外し、ボールタップの汚れを流水で落としましょう。
画像元:TOTO
図4「ボールタップとフロートバルブの位置」
水を流したあと「ゴボゴボ」という音がして流れにくい様子であれば、便器がつまりかけている可能性があります。吸引カップ(ラバーカップ)などを使って、つまりを解消しておくと安心です。
トイレを流していた水が止まったとき、突然「ゴンッ!」という衝撃音がする場合もあります。これは「ウォーターハンマー音」と呼ばれるもので、給水管内の水圧の急激な変化によって起こります。具体的には、トイレを流したことで勢いよく流れていた水が急に止まったことが原因です。
とはいえ流していた水が途中で急に止まるのは仕方のないことなので、人為的に水圧を調整する必要があります。内部の空気嚢で圧力変化を吸収する「水撃防止器」という器具を取り付けるのも、ひとつの方法です。
しつこい便器の黒ずみの意外な原因って?
便器の中にカビが生え、環状の黒ずみやピンク色の汚れがつくのは比較的よくあるケースでしょう。しかしまれに、見慣れない筋状の黒ずみがつくこともあります。こちらはカビによる汚れとは違って、簡単には落ちにくいのが特徴です。
実はあの汚れは、タンクの下部に配置されている部品である「フロートバルブ」の劣化が原因です。水に溶けだしたゴムの成分がしつこい汚れになっているというわけ。
フロートバルブは消耗品なので、トイレを普通に使っていても2~3年で劣化してしまいます。この年数を超えている場合は、タンクのフタを外して交換を行いましょう。
直接触ると手が真っ黒になってしまうので、点検・交換の際はゴム手袋を忘れないようにしてくださいね。
このときタンク内の掃除もしておくとベストです。タンクの中は便器とは違って毎日のように掃除する必要はありませんが、かといって放置しすぎると、知らず知らずのうちに汚れがたまっていたりします。
3か月に一度を目安に掃除を行い、清潔な状態をキープしましょう。このとき各部品のチェックも一緒にしておくと、トラブルの予防にも役立ちます。